夏場の水槽冷却を考える

水槽冷却システム アクアリウム

年々、夏の気温上昇が気になります。
私が住んでいる地方でも昨年の最高気温は35℃
今年は、これ以上になるかも?
毎年、この季節になると、水槽の調子が悪くなります。
水草が痛んだり、魚が体調を崩したり、苔が生えてきたり、、、
今年こそはと思い、冷却システムを検討しました。

はじめに

最終的に採用した冷却システムは、コストメリットが一番良い、PCファン冷却システムです。
その他の方法も検討しましたので、記事にしてみました。

市販の冷却システム

冷却器を外部フィルターに接続して、循環冷却する方法

ペルチェ式

ペルチェ素子を利用した、清音タイプの冷却器です。
60cm水槽までの小型水槽に適しています。
テトラ製の場合バリエーションが3種類あります。
「CR-1」:41cm水槽(20L)以下、消費電力70w
「CR-2」:51cm水槽(40L)以下、消費電力140w
「CR-3」:60cm水槽(60L)以下、消費電力245w
価格は、大きいもので3万円程度

コンプレッサー式

コンプレッサーを利用した、高効率な冷却器です。
ペルチェ式と比較して、効率がいいので大きい水槽に適しています。
テトラの場合次の商品が有ります。
「CPX-75」:60~90cm水槽(50~200L)、消費電力170w
価格は、4万円程度

ファン式

ファンを水面に当てて冷却する方式です。
小型水槽の場合は、専用の壁掛けタイプがお勧めです。
市販のファンも販売されていますが、お勧めは、PC用のファンを流用する方法です。
メリットは、価格が安い、消費電力が低い、水ホースを繋ぐ必要が無い事です。
デメリットは、水の減少が激しい。
小型水槽の場合、全水量に対して減少の割合が、多くなるため気になると思います。

自作冷却器の検討

ペルチェ式冷却器

ペルチェ素子+放熱ファン+ヒートシンク+水冷ブロック」がセットになったものが販売されています。
これを使ってシステムを考えます。
目的は、1時間で30℃-27℃=3℃冷却
※外気からの吸熱は考慮しない単純計算です。


●水槽の容量から計算した場合


冷却温度 ΔT:30-27=3℃
90cm水槽の水量 V:160L
水の比熱 Cp:4.186kj/kg・℃
冷却時間 t:3600秒(1時間)
冷却容量 Q:0.56kw

●接続する外部フィルターの流量から計算した場合


使用する外部フィルターはエーハイム2211 8L/minです。
160Lの水を循環するのに160/8=20分
1時間(60分)で3℃冷却するのが目的なので、1時間に循環する回数は、60/20=3回
1循環当たり3/3=1℃冷却すればよいことになります。
上記の計算式に当てはめて計算すると
8×4.186×1/60=0.56kwとなります。

ペルチェ素子の電気容量と本計算の熱量はイコールにはなりませんが、あくまでも参考値として0.56kwを頭に入れておきます。

Amazonで探したところ一番容量があるペルチェユニットは、6枚使いの420w(0.42kw)でした。

必要な機器の選定

価格は2025年7月8日Amazon価格です。

  1. ペルチェユニット 420kw DV12V ¥8,008 
  2. ペルチェユニット放熱用冷水ブロック40x160x12mmを2個 ¥3,088
  3. 冷水ブロックへ循環用ポンプ+水槽 300L/h DC12V ¥2,911
  4. 冷水ブロック冷却用水冷ラジエーター、ファン付 ¥2,070
  5. 電源ユニット AC100V→DC12V 600w ¥9,700
  6. 温度調節器 ¥854
  7. 外部フィルター エーハイム2211 8L/min ¥11,800
  8. 水ホース φ8x12mmx2m ¥1,510

合計¥39,941
今回、外部フィルターは保有の物を使用するので、-¥11,800で¥28,141となります。
※ケース代は含みません。

検討した結果、PCファン方式になりました。

市販の冷却器や自作冷却器等、価格や能力・電力の比較を行いました。
価格は、3〜4万円ほど
電力は、自作で見込んだ数値が420w/h

PCファンで冷却できるのであれば、安価・省電でいける。
試しに、PCファンのみ購入しました。
心配なので120cmファンがx2個の物を選びぶ。
速度は3段階切り替えてスイッチ付き,USB電源
値段は、Amazonで¥2,090

PCファンを試しました

一晩ファンMAXで回した

普段は、26.7℃一定の水温が、30℃まで上昇していた為、ファンの速度を最大にして一晩試しました。
結果、27℃まで冷却できました!
が、
何だかんだ魚の調子がおかしい?
いつも元気なロージーテトラが6匹居たのに、1匹も居ません

可愛い子たちだったのに
他の魚は、ヒーターの前に集まっている。
明らかに状況がおかしい?

想像するに、一番弱いロージーテトラが、急激な水温低下で弱り体力があるオスカー達に食されたのでは?

ファンの効果は、抜群であった、、、

ファンに温度コントローラー取付

このままだと、魚が全滅してしまう。

急遽温度コントローラーを追加しました。

追加した部品

1.温度コントローラー
安価でシンプルで使いやすい。
温度センサーの配線が短いので、場合によっては配線の延長が必要です。

2.5VのACアダプター
今回は、電圧が任意に替えれるものを使用しました。

●配線

1.ファンの速度調整器のカバーを外して、電源線を外します。
2.ACアダプターと温度調節器を結線します。
3.温度調節器に付属の温度センサーを水槽の水に浸します。
※私は、これで運用していますが、ファン速度調整器の改造等伴いますので、やられる方は自己責任でお願いします。
温度コントローラーの使い方は、付属の取説をご参照ください。
今回は、冷却目的なので冷却制御(設定以上でファンの電源ON)の設定にしました。

スピード調節器のカバーを外します。
結線図

ファン冷却器の運用

急激な冷却は魚に良くないので、毎日0.5℃づつ下げていきました。
今は、外気温が34℃超えていますが、スピード調節ミドル位置で28℃キープできています。
水槽の水量は、減りますが90cm水槽は160Lの水量があるので、1週間で1cmほどの減少です。
さほど気になりません。

まとめ

いろいろと考えて検討しましたが結果、一番安価なファン式となりました。
前述したように、小型の水槽では水の減少が気になりますが、大きい水槽ではさほど気になりません。
おすすめです。
私の場合、ファンのスピード調節器を分解してはんだ付けしましたが、
カーショップなどで、配線部品が販売されていますので、これを使用したほうが簡単に出来ると思います。
では


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